あなたは人と一緒にいるとき、どういうポジションを取りますか?
- “仕切る派”?
- “仕切る人に付いていく派”?
- “一人でいる派”?
それらの態度の違いって、「欲しいものを手に入れる戦略」の違いが影響しているんです!
ここではエニアグラムにおける社会的スタイルについて説明します。
そこれが分かると、「そういうもんなんだ」と思って気が楽になったり、「じゃあ自分の戦略を積極的に使っていくか!」と前向きになったりできると思いますよ!
エニアグラムにおける社会戦略(対人態度)の3パターンとは?(社会的スタイル、カレン・ホーナイの3分類とは?)
前の記事で紹介した“センター(中枢機能)”という考え方では、各タイプが「何を求めているのか」について説明しました。
※まだ読んでない人はコチラからどうぞ。
(>>エニアグラムのセンター(中枢機能)を分かりやすく!)
これを踏まえた上で、ここでは、各タイプが「(その求めるものを手に入れるために、)どんな戦略を取るのか?」について説明します。
これを説明するために紹介するのが、エニアグラムの“社会的スタイル”です。
でも、“社会的スタイル”と聞いても、イメージがしにくいですよね…?
これは簡単に言うと、「社会の中でどういう態度を取りやすいか」ということです。
そしてポイントとなるのは、“社会の中での態度”は、“欲しいものを手に入れるときの戦略”に紐付いているということです。
つまり、“社会的スタイル”とは、
“欲しいものを手に入れるための戦略”であり、
“社会の中で取りやすいポジション”であり、(社会生存戦略)、
社会の中での“人との接し方のクセ”であると言うこともできます。(対人態度)
「ちょっと、何言っているのか分からない。」
という人も、まだいるでしょう。笑
というわけで、具体的に質問してみますね。
「あなたは、“欲しいもの”があるときにどういう態度を取りますか?」
- とにかく手を伸ばす。人を巻き込む。(⇒自己主張型:3・7・8)
- 社会のルールに従う。人と仲間になる。(⇒追従型:1・2・6)
- 社会から一歩引く。人と距離を置く。(⇒遊離型:4・5・9)
この3つの分類型を、エニアグラムでは“社会的スタイル”と呼ぶわけです。
(心理学者のカレン・ホーナイという人が見つけたので、“ホーナイの分類”とも呼ばれます。)
自分の社会的スタイルをスムーズに判別するためには、子供時代を思い出してみて、小・中学校のクラスの中で「中心にいたのか、周りにいたのか、1人でいたのか」を思い出してみると良いかもしれません!
エニアグラム社会的スタイル 自己主張型|タイプ3・7・8
欲しいものは、「要求」して、直接的に手を伸ばして手に入れるタイプです。
人との接触でストレスを感じると、自分を押し出していきます。
自分の欲望が明確で、勝気です。
外の世界に強い関心を示し、アグレッシブな姿勢を取ります。
しかし、そのせいで「人が内面でどう思っているか」、には疎い傾向もあります。
また、自分の気持ちにも触れにくくなるところがあります。
<各タイプはどう“要求”するのか?>
- タイプ3:(人から評価されるように、)世の中に成果をアピールする。
- タイプ7:(社会を楽しく生きられるように、)世の中のあらゆる刺激に手を伸ばす。
- タイプ8:(自分の存在感を感じられるように、)世の中に強さを誇示する。
エニアグラム社会的スタイル 追従型|タイプ1・2・6
欲しいものは、「努力」して、良い子になることで手に入れるタイプです。
人との接触でストレスを感じると、人の役に立とうとします。
協調性が高く、自分よりも相手の気持ちに焦点を合わせられ、人の和を大切にします。
しかし、何かの価値を判断する基準を、自分の外に求める傾向もあります。
(例えば、常識、ルール、他人からの期待など。)
<各タイプはどう“努力”するのか?>
- タイプ1:(自分は正しく完璧であれるように、)人を(もちろん自分も)厳しく律しようとする。
- タイプ2:(人からの愛を得られるように、)人を無私の心で助ける。
- タイプ6:(社会から必要とされるように、)人に誠実であろうとする。
エニアグラム社会的スタイル 遊離型|タイプ4・5・9
欲しいものを手に入れる際には、「退却」して、人や物事から距離を置いて、自分の内面世界に入るタイプです。
そのため、人との接触でストレスを感じた際にも、現実と距離を置いて自分の世界に入ろうとします。
その結果、独りでいようとすることも多いです。
(人との間に距離を置き過ぎて、引きこもることもあります。)
欲は少なく、競争や成功は好まないタイプと言えます。
しかし、人からの指図に従わない頑固さもあります。
<各タイプはどう“退却”するのか?>
- タイプ4:(人から特別視されるように、)自分の空想の世界観を構築する。
- タイプ5:(社会で有能であれるように、)自分の頭の中で考えを巡らせる。
- タイプ9:(自分は平和を感じていられるように、)自分はリラックスしていようとする。
エニアグラム各タイプが、集団の中に入っていくときの内心の違い!
“社会的スタイル”は、「欲しいものを手に入れるときの獲得戦略」であると共に、「社会の中でストレスを感じたときの対処戦略」でもあります。
という点を踏まえて、これらの“各タイプの社会的スタイルの違い”を表す興味深いシチュエーションがあります。
各タイプが、「“知らない人が何人かいる教室”に入る際の内心が異なる」というものです。
自己主張型(要求)
- タイプ3「私のスゴいところを見て!」(⇐自己PRが鼻につく…。)
- タイプ7「私が来たから、面白くなるよ!」(⇐うるさいから落ち着いて。)
- タイプ8「私に挑む気なら、かかってこいよ!」(⇐怖い。何でケンカ腰?)
追従型(努力)
- タイプ1「私がこの場を正してあげよう!」(⇐学級委員長?)
- タイプ2「可哀想な人がいたら助けてあげる!」(⇐少し押しつけがましいかな。)
- タイプ6「私は○○(スゴい組織や友人)と関係あるよ!」(⇐虎の威を借りる狐?)
遊離型(退却)
- タイプ4「私はこの人達とは違う!」(⇐変な事してる人がいる…。)
- タイプ5「ここで起きている事は私には関係ない!」(⇐ずっと隅でじっとしてるな…。)
- タイプ9「私自身としては関わらない!」(⇐愛想は良いけど、反応は鈍いな…。)
あなたはどれに近かったですか?
※注意!
()内の記載は、各タイプが醸し出す雰囲気や行動がより伝わるように、あえて過剰なツッコミを入れたものです。悪意はありませんので、不快に思った方がいたらご容赦下さい。
(決して、私から各タイプへのクレームではありません!笑)
エニアグラム 社会的スタイルと神経伝達物質ドーパミンとの関係
アメリカのエニアグラム研究グループThe Enneagram Instituteが、「神経伝達物質(セロトニン、ノルエピネフリン(=ノルアドレナリン)、ドーパミン)の活動の高低を調べたところ、エニアグラムの各タイプと相関していた」ということを報告しています。
(>>エニアグラムと神経伝達物質(セロトニン・ノルエピネフリン・ドーパミン)との関係性は?)
ここで、興味深いのは、“社会的スタイル”と“ドーパミン”との相関性です。
社会的スタイルの中でも、自己主張型(3・7・8)はドーパミンHighで、遊離型(4・5・9)はドーパミンLowに分類されます。
ドーパミンは、“やる気ホルモン”とも呼ばれていて、達成感を感じたときに放出されます。
ここで、タイプ3・7・8が、共通して“チャレンジ精神・行動力・目標達成意欲”などの特徴を示します。
一方で、タイプ4・5・9は、欲が少なく競争を好まない傾向があります。
よって、エニアグラムの社会的スタイルの分類は、科学的な論拠もあるものと言えるでしょう。
ここまでの、“社会的スタイル”の説明では、各性格タイプが「どういう戦略を取るか?」を紹介しました。
さらに、「(戦略がうまくいかずに、)問題がおきたらどう対処するのか?」についても、エニアグラム各タイプと関連付いた考え方が存在します。
詳しくはこちらをどうぞ。
>>あなたの問題対応タイプは?エニアグラムの”ハーモニクス“を分かりやすく!