突然ですが、次の3つの中で、あなたがもっとも“求めているもの”は何ですか?
- 自立していること
- 関心を持たれていること
- 安心していられること
これは、エニアグラムの各性格タイプと関連していて、“センター(中枢機能)”と呼ばれています。
そこここでは、その“センター”について説明します!
(この考え方が分かると、性格の違いに対する理解が一段上がると思いますよ!)
あなたの欲求対象は?エニアグラムにおける“センター(中枢機能)”とは?(ガッツ、ハート、ヘッド)
人は、物事に対処するときに“本能”・“思考”・“感情”を使っています。
…と、いきなり言われてもイメージしにくいかもしれません。
そこで思い浮かべて欲しいんですが、あなたの周りに「直観的な人、良く考える人、情緒豊かな人」など、いませんか?
こういった人達の違いは、「“本能”・“思考”・“感情”のどの機能を良く使っているか」の違いだと言えます。
そして、エニアグラムではこれらの分類を、“センター(中枢機能)”と呼んでいます。
【センター(中枢機能)のポイント一覧】
中枢機能 センター |
分類 タイプ |
求めて いるもの |
避けたい 感情 |
特徴概要 |
・本能中枢 ・ガッツ センター |
1・8・9 | 自立 | 怒り | 直感的で、行動派。裏表がない。 |
・感情中枢 ・ハート センター |
2・3・4 | 関心 | 恥 | 人の気持ちを汲めて、情緒豊か。好き嫌いが明確。 |
・思考中枢 ・ヘッド センター |
5・6・7 | 安心 | 不安 | 物事を一歩引いて見ていて、論理的。理屈重視。 |
3種類の“センター(中枢機能)”の違いの中でもっとも大切な点は、“求めているもの”です。
(ガッツセンターは自立、ハートセンターは関心、ヘッドセンターは安心。)
これが起点となって、各センターの性格特徴へと繋がるからです。
というわけで、それぞれ詳しく見ていきましょう!
エニアグラム 本能中枢(ガッツセンター)|タイプ1・8・9
【性格特徴】
本能が優先して機能する、直感的なタイプです。
物事を身体で「感じる」ことが多く、感じたままに(意識は介在せずに)行動することが多いです。
そのため、まずは体験してみて判断します。(行動派で、運動神経が良い人が多い。)
また、表裏のないサッパリした性格の人が多いのも特徴です。
【内的性格構造】
最大の関心事は「自分の存在が自立しているか」です。
“自立した状態(自分の存在)“を脅かされることを恐れるので、“怒り”を感じやすいタイプです。
また、「自立できているかどうか」に意識が向くので、時間感覚は“現在”に向きます。
(子供時代に「自立できること」を強く求めた経験のある人が多い。)
【各タイプが求める“自立”とは?】
- タイプ1:自分が正しく完璧でいること。(間違っていないこと。)
- タイプ8:自分の存在感を示せていること。(支配されていないこと。)
- タイプ9:自分は平和な世界の1人でいること。(争いに巻き込まれていないこと。)
エニアグラム 感情中枢(ハートセンター)|タイプ2・3・4
【性格特徴】
感情が優先して機能する、情緒的なタイプです。
感情とは他者と関わる中で生まれるものなので、“人間関係に重きを置くタイプ”と言えます。
情緒豊かで、共感能力の高い人が多いです。
また、心が豊かなので、想像力やイメージ力が高い人が多いのも特徴です。
【内的性格構造】
最大の関心事は「相手が自分に関心があるか」です。
“人からの関心が下がること“を恐れるので、“恥”を感じやすいタイプです。
人からの関心によって自分のイメージ(アイデンティティ)を意識するので、“これまでに人から向けられた関心”を意識します。
そのため、時間感覚は“過去”に向きます。
(子供時代に「親からの関心(認めてもらうこと)」を強く求めた経験のある人が多い。)
【各タイプが求める“関心”とは?】
- タイプ2:人から愛されること。(嫌われないこと。)
- タイプ3:人から評価されること。(無視されないこと。)
- タイプ4:人から特別視されること。(人と同じと思われないこと。)
エニアグラム 思考中枢(ヘッドセンター)|タイプ5・6・7
【性格特徴】
思考が優先して機能する、論理的なタイプです。
“考える”ために、現実や人から距離を置くこともしばしあります。
言葉の理解が早く、論理的に考えられるのも特徴です。
“一人で考える”ことが多いので、クールな雰囲気を持つ人が多いと言えます。
(※タイプ7は明るいですが、OFFの時(家にいるときなど)はクールです。)
【内的性格構造】
最大の関心事は「安心を得られるように、物事を体系的・論理的に捉えること」です。
“まだ起きていないこと“を心配するので、“不安”を感じやすいタイプです。
その”不安“を払拭し、”安心”を得るために、(将来への安心感を得るために、)物事を理解することに努めるのです。
そのため、時間感覚は“未来”に向きます。
(子供時代に「安全で安心できる環境」を強く求めた経験のある人が多い。)
【各タイプが求める“安心”】
- タイプ5:社会で有能であれること。(分からないことがないこと。)
- タイプ6:社会から必要とされること。(疎外されないこと。)
- タイプ7:社会を楽しめること。(ネガティブな考えと向き合わなくて良いこと。)
エニアグラム センター(欲求対象)と神経伝達物質ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)との関係!
3種類の神経伝達物質(セロトニン、ノルエピネフリン(=ノルアドレナリン)、ドーパミン)の活動の高低を調べたところ、エニアグラムのタイプとの相関があったことが、アメリカのエニアグラム研究グループThe Enneagram Instituteから報告されています。
それで、面白いのは、3種類の欲求対象を示す“センター(中枢機能)”は、神経伝達物質のノルエピネフリン(=ノルアドレナリン)の活動の高低と相関がある点です。
ノルエピネフリンは、ストレスに反応して放出され、“不安”と深い関係があることが知られています。
これを踏まえてみると、“センター(中枢機能)”で“不安”を感じやすいのはヘッドセンター(思考中枢)に属するタイプ5・6・7です。
どれもノルエピネフリンHighとなっているので、タイプ5・6・7の「不安の感じやすさ(安心を求める傾向)」は、科学的にも確からしいと言えそうです。
ここまでの、“センター(中枢機能)”の説明では、各性格タイプが「何を求めるのか?」を紹介しました。
さらに、「(求めるものを)どういう戦略で手に入れるのか?」についても、エニアグラム各タイプと関連付いた考え方が存在します。
詳しくはこちらをどうぞ。
>>あなたの対人態度タイプは?エニアグラムの”社会的スタイル(ホーナイ分類)“を分かりやすく!