タイプ1は、真面目でちゃんとしている人ですね。
適当なことをやっていると怒られるので、怖いときもあります…。
でも、このタイプがいると、集団の秩序が保たれるので安心できます。
エニアグラムタイプ1の性格特徴
性格診断エニアグラムのタイプ1について紹介します。
タイプ1の“動機付け”は?
タイプ1のモチベーションの根源(動機)は、
「正しくありたい」です。
タイプ1は、腹の底で「自分は良くない存在だ(間違っている、完璧でない、邪悪である)」と、感じているところがあります。
そして、そういった“良くない自分”が表に出てくることを恐れています。
そのため、自分の欲望や感情に蓋をしてでも「正しくあること」を優先し、自分を強く律するのです。
(自分がどう感じているか」よりも「正しさや完璧さ」にこだわるため、“厳格な雰囲気”を醸し出します。)
実際、タイプ1の方とお話しすると、「自分の中に正しさをジャッジするもう一人の自分いて、自分を監視している」と言われる方が多い印象です。
タイプ1が大切している“価値観”は?
そのため、タイプ1は次のようなキーワードに関わる価値観を大切にします。
- 正しさ、正義、公正さ、理想、良心
- 完璧さ(間違いがないこと)、改善
- 一貫性、秩序、原理原則
タイプ1の“性格の特徴”は?
その結果、タイプ1は次のような性格特徴を持ちます。
- 礼儀正しくて、真面目。
- 公平性を重んじ、正義感が強い。
- 一貫性があり、発言や行動に責任感がある。
“品行方正”と言う言葉が、しっくりくるタイプです。
学級委員長や、風紀委員のような“真面目さ”のあるタイプですね。
(「~であるべき」「~すべき」という言葉を多用するのも特徴です。)
自制心と向上心があり、地道な努力を積み重ねることもできます。
まさに、“アリとキリギリス”でいう、“アリ”タイプと言えます!
高い理想を掲げて、完璧に達成しようとします。
(しかも、細かいところまできちんと詰めて、手を抜かずに!)
普通の人から見ると、
「何でそんなにストイックなの!?」
と思えることが、しばしばありますが、
そこに理由や目的はないのです。
“理想に対して妥協しない姿勢”自体が、タイプ1にとっては大事なのです。
(“物事を改善していくプロセス”自体に、やりがいを感じられる。)
タイプ1の性格をキーワードで表すと?
タイプ1の性格特徴をキーワードで表すと、次のようなものがあります。
- 正義感が強い、公平・公正、品行方正、責任感が強い、高潔な生き方
- 完璧主義、細部にこだわる、精度が高い、努力家
- 自制心が強い、頑固
エニアグラムタイプ1の成長レベルによる3つの性格特徴(健全度)
エニアグラムタイプ1の中でも、成長レベル(健全度)によって性格特徴は変わります。
ここでは、「健全・通常・不健全」の3段階に分けて紹介します。
(※“健全度”とは“精神的な成長レベル”のことです。
詳しくはこちらをどうぞ。
>>エニアグラムの不健全さとは?|健全度の解説!)
タイプ1の健全度の判断は、「自分の“正しさ”を信じられているか」がポイントです。
健全だと、「自分の理想は正しい」と信じていて、その理想のために自分を律して行動できます。
一方で、不健全になると、「自分の正しさ」を信じられなくなり、人を批判することで(相手の間違いを指摘することで、)自分を正当化する傾向が出るようになります。
タイプ1の健全時の性格特徴
健全なタイプ1は、自分のことを「正しい」と信じています。
そして、その「正しさ」を体現するために“あるべき姿勢”で生きます。
(そのためなら、自分の個人的な欲望は脇に置くことができます。)
つまり、「自分はちゃんとしている」と感じていて、実際ちゃんとしているということです。
それによって、「私は善悪の判断が適切にできて、節度を持っている」という、理想の自己イメージを体現します。
さらに…、
究極的に健全度の高いタイプ1は、「自分は客観的な判断ができ、感情的にならない。(だから正しい。)」という囚われたセルフイメージを手放すことができます。
(これはタイプ1にとっては大変なことです。)
そもそもタイプ1は、「自分は良くない存在だ」という恐れを否定するために、「正しさ」にこだわります。
その結果、(「正しくある自分」を優先し、)「感情的な自分」は抑制しようとするのです。
また、(自分の感情を抑圧して生きる分、)人に対しても悪気なくそれを求めることがあります。
(人の態度に対して、判断や批判をするようになるわけです。)
しかし、「正しくあること」と「感情を抑圧すること」はイコールではないですよね?
そのことを理解したタイプ1は、「自分が正しい」と信じるために「感情を否定する」必要を感じなくなります。
それによって、「理想を追求しながらも、自分や人の感情を考慮できる受容的な人になれる」、と言えます。
タイプ1の通常時の性格特徴
通常時のタイプ1は、自分が信じることの「正しさ」を証明するために頑張ります。
そのために、一貫性と秩序のある生き方を望むので、完璧主義的になります。
つまり、一生懸命で、真面目なのです。
(タイプ1が「ストイック」と言われる理由が、ここにあると言えます。)
ただ、間違うことを恐れ、常に「正しさ」を意識しているので、「緊張感」を帯びています。
(良く言えばピシッとしていて信頼できるんですが、悪く言えばピリつきやすくて怖いわけです。)
また、タイプ1は、「自分が“正しいこと”だと感じていることは、他者にとっても“正しいこと”」だと信じています。
そのため、「正しくない人(=自分の基準から外れる人)」に対して、腹が立てることがあります。
「“正しいこと”が分かっているのに“正しいこと”をしないのは、怠けているか、悪意があるに違いない!」と感じるわけです。
(「何でちゃんとしないのか!?(怒)」と。)
こういった考え方から、公平性や正義感があり、人からも信頼されます。
一方で、人の間違いを批判的に指摘したり、自分の意見に固執することもあります。
タイプ1の不健全時の性格特徴
不健全なタイプ1は、「自分は間違っているのかもしれない」と恐れます。
(「正しくありたい」と感じているタイプ1にとって、それはツラいことです。)
そのため、過剰な自己正当化に走ることがあります。
人の立場を考慮せず、人の意見も聞かなくなることで、「自分は間違っていない」というセルフイメージを頑なに守るわけです。
さらに状態が悪くなると、「自分でやってはいけないと言ってきたことを、自らやってしまう」という矛盾した態度を取ることがあります。
(その上、「(自分と同じように)それをやる人のことは、批判する」という、さらに矛盾した態度を取ることもあります。)
最悪の場合、自分を追い込んでいる原因を取り除くために、自分や他人を殺傷する可能性もあります。
映画に出てくるボス敵のあるある話として、次のようなストーリーって、良く聞きませんか?
「最初は、正義の味方を目指していたけど、あるときに理想が壊されて、信念が歪んでしまって、社会に被害をもたらす悪になっていく…。(自分なりの正義は持つ悪になる。)」
不健全なタイプ1は、このイメージかもしれません。
良く言えば、「どんな形であっても自分の理想を体現することに一生懸命」なのがタイプ1と言えます。
エニアグラムタイプ1の成長時とストレス時の性格特徴(統合と分裂)
エニアグラムタイプ1の、”成長している時(統合)”と“ストレスを感じている時(分裂)”の性格特徴についても確認しておきましょう。
タイプ1成長時は、タイプ7の良い特徴「自由さ(精神的ゆとり)」が表れます。
タイプ1ストレス時は、タイプ4の悪い特徴「勝手気ままさ」が表れます。
タイプ1の成長時の性格特徴(統合の方向)
エニアグラムタイプ1の成長時は、タイプ7の性格の良い部分「自由さ(精神的ゆとり)」が表れます。
普段のタイプ1は、真面目で、完璧主義なところがあります。
そのデメリットとして、物事の味方が狭くなりがちなこともあります。
また、周りに「安心感や頼もしさ」を感じさますが、度を超すと「堅苦しさ」を感じさせてしまうこともあります。
ここで、タイプ7の良い特徴として、「のびのびとして、オープンな態度で、ポジティブで柔軟な考え方をする」ことが挙げられます。
成長したタイプ1は、このタイプ7の「自由さ(精神的なゆとり)」を取り入れることで、バランス良く“肩の力が抜けている”と言えます。
それによって、自分も周りの人も精神的ゆとりを感じられることで、継続的に理想を追求し続けていける状態になる、と言えます。
成長の方向について、詳しくはこちらもどうぞ!
>>エニアグラムの成長(統合)の方向とは?
タイプ1のストレス時の性格特徴(分裂の方向)
エニアグラムタイプ1のストレス時は、タイプ4の性格の悪い部分「勝手気ままさ」が表れます。
普段のタイプ1は、高い理想を掲げ、厳格に振る舞います。
(責任感があり、自分にも人にも厳しいところがあります。)
ここで、タイプ4の悪い特徴としては、「気分屋で、感情の思うままに振る舞う」点があります。
タイプ1が過剰なストレスを感じると、タイプ4の悪い特徴が表れます。
(普段はちゃんとしているタイプ1が、)だらしなくなったり、感情によって態度を変えるようになるのです。
それは、(“精神的ゆとり”からくる「肩の力の抜けた状態」ではなく、)理想実現への「諦め」や「絶望」を感じて、「ちゃんとできなくなっている状態」です。
(例えば、責任感がなくなったり、地に足が付かず妄想的になったり、行動が非合理的になることがあります。)
そういう時は、“理想を追求しようとする感覚”に、心や体が付いて行けずに悲鳴を上げていている証拠かもしれません。
よって、タイプ1は、もし「理性的でいられなくなっている自分」を感じたときには、意識して休むのようにするのがオススメと言えます。
「ストレスから一旦距離を置くこと」は悪いことではありません。
むしろ、「意識して休むこと」は、「自己管理として取り入れるべきこと」だと言えます。
タイプ1はストレスを感じやすいので、時にはそういった合理的な考え方で自分を説得させてでも、ご自愛されるようにしてみて下さい。
ストレスの方向について、詳しくはこちらもどうぞ!
>>エニアグラムのストレス(分裂)の方向とは?
タイプ1のストレスの原因を探る参考としては、こちらもどうぞ。
>>エニアグラムタイプ1が「仕事が辛い…」時の原因と対策
エニアグラムタイプ1の2種類の性格タイプ(ウイング9とウイング1の違い)
エニアグラムには、各性格タイプが、隣り合うどちらかのタイプの影響を大きく受けるという考えがあります。(これを「ウイング」と言います。)
エニアグラムタイプ1の場合は、次の2つのウイングがあります。
- タイプ9に近いタイプ1(タイプ1ウイング9:1w9)
- タイプ2に近いタイプ1(タイプ1ウイング2:1w2)
1w9と1w2を見分けるポイントは、「理想を実現するための戦略」の違いです。
- 1w9は「人へ理想を語りながら、物事に忍耐強く取り組む」
- 1w2は「人のニーズも汲みながら、政治力を発揮する」
エニアグラムタイプ1ウイング9(1w9)の性格特徴:理想主義者
タイプ1ウイング9(1w9)は、主観的な理想はしっかり持ちつつも、冷静に長期的視点に立てるタイプです。
タイプ1特徴の“几帳面さ”に、タイプ9特徴の“広い視野”が加わることで、「高い洞察力と大局的視点を併せた“賢さ”」を持っています。
また、タイプ1は人に厳しいところがありますが、タイプ9の“世間と距離を置く傾向”が加わり、内向的で感情表現は控え目ながら、人に対する「寛大さ」を持っています。
(一方で、人間関係を面倒臭がって、独りで活動することを好むところもあります。)
タイプ1として“理想を掲げて頑張る”ところはありますが、タイプ9の“おおらかさ”の影響で、“こだわり”は少ないと言えます。
(特に、1w2と比べて。)
怒るときは、「態度が堅くなる」、「皮肉を言う」などして不満を表すことがあります。
(1w2と比べると“怒り”を抑える傾向があって、分かりやすく「キレる」ことは少ないと言えます。)
1w2と比べて、“正しさ”を主張する方法として、理想を語る傾向があります。
(1w2は、個人的に働きかけて相手を説得する。)
>>エニアグラムタイプ9ウイング1の特徴
エニアグラムタイプ1ウイング2(1w2)の性格特徴:擁護者
タイプ1ウイング2(1w2)は、高い理想を追求しつつも、他者への共感力や思いやりも示せるタイプです。
タイプ1特徴の“理想を掲げる”面に、タイプ2特徴の“人への関心”が加わることで、外交に力を入れ、自分の理想を積極的に相手に主張して議論します。
自分の理想を実現する上で、積極的に人と関わることで、相手が自分の理想に関心を持つように説得していくわけです。
(しかし、人への関心は高いですが、常に人と一緒にいたいわけでもなく、自分の考えを整理するためにひとりの時間を大切にするところもあります。)
そういった特徴のため、“政治力”に長けます。
例えば、自分の理想に関心を抱いてくれる相手に対しては、その人が求めていることに察知して配慮します。
また、コミュニティ内の相関図を良く把握し、それを考慮した上で個々人に関わっていくことを楽しみます。
1w9よりも現実的で地に足が付いている一方で、気性は激しいところがあります。
(1w9よりも行動的な分、自分の理想とのギャップを見つける機会が多いので、イライラすることも多いためです。)
>>エニアグラムタイプ2ウイング1の特徴
エニアグラムタイプ1の強みと適職性
タイプ1は、「正しくありたい」がモチベーションです。
そのため、“公平性や正確さが活かせる職”で、活躍できると言えます。
特に、“ルールや規律が明確な業界や職場”でこそ、活き活きと活動できるでしょう。
特徴的“強み”としては、“公平さ・正確さ・責任感・真面目さ”などが挙げられます。
タイプ1の強みと適職性①:
性格特徴 | タイプ1は、公平さを重んじ、正義感が強く、自分への厳しさがある。 |
強み | 正義感、真面目さ、責任感、規律力 |
適職性 | “公務に就く職”や、“規律を守るような職”が向く |
適職例 | 警察、弁護士、企業内の法律関連部署、など。 |
タイプ1の強みと適職性②:
性格特徴 | タイプ1は、「間違いがないこと」を重視します。
そのため、品質の高さ(欠陥がないこと)や、正確さ(ミスがないこと)にこだわれる。 |
強み | 正確性、改善意欲、計画力 |
適職性 | “ミスがないことに価値のある職”に向く |
適職例 | 税理士、会計士、銀行員、企業の経理職など。 |
タイプ1が“適職”を得るために、参考にしてみて下さい!
※本気で就活する人のために、「タイプ1が適職を得るために必要な情報(強みや弱み、自己PR時の言い回し、自己PR例文、適職性・向いてない職、モチベやストレスなど)」を、コチラに詳しくまとめました。